前腕外側の痛み・しびれ改善の神経ストレッチ(筋皮・前腕外側皮神経)

前腕外側 痛み しびれ

・前腕外側に痛みがある
・前腕外側にしびれがある

上記の症状は筋皮(きんぴ)神経の働きが悪くなっている可能性があります。
筋皮神経は首から出て腕に伸びる神経です。
筋皮神経を理解すれば、前腕外側の痛み・しびれ改善にも繋がります。

今回は、前腕外側の痛み・しびれ改善の筋皮神経ストレッチも紹介していきます。

筋皮神経

前腕外側の痛み・しびれと深い関係にある筋皮神経について説明します。

筋皮神経を理解すると、なぜ前腕外側の痛み・しびれに筋皮神経ストレッチが効果的な理由もわかってきます。

筋皮神経は首から出る神経

頸神経

筋皮神経は首の骨から出ている神経です。
首の骨は7個あり、その間から図のように神経が出ています。

C=首の背骨から出る神経
T=胸の背骨から出る神経

C1は第1頚神経とも言います。

筋皮神経

首の神経を拡大したのが下図になります。

第5頚神経(C5)から第1胸神経(T1)から出て腕に向かう神経の集まりを腕神経叢(わんしんけいそう)と言います。

首の神経の始まりを神経根と言います。
筋皮神経の神経根は、C5・6
そこから、上神経幹〜外側神経束〜筋皮神経と繋がります。

筋皮神経が支配する筋肉

筋皮神経 上腕二頭筋 上腕筋 烏口腕筋

筋皮神経が支配する筋肉は、上腕二頭筋、上腕筋、烏口腕筋
これらの筋肉は、肘を曲げる役割になります。
上腕二頭筋力こぶの筋肉です。
また、上腕二頭筋は手のひらを上に向ける様に、腕を外に捻る動作(回外)の役割もあります。

専門的な説明では、上腕筋は筋皮神経と橈骨神経の二重支配です。

筋皮神経の走行と前腕外側皮神経

外側神経束 筋皮神経 前腕外側皮神経.png

筋皮神経は肘の先から外側前腕皮神経となります。
外側前腕皮神経の感覚支配が、前腕外側(親指側)です。

筋皮神経は筋肉支配感覚支配離れた珍しい神経になります。

前腕外側の痛み・しびれは、筋皮神経の枝である前腕外側皮神経の感覚障害です。

この感覚障害を改善するのが筋皮神経ストレッチになります。

筋皮神経ストレッチ

腕の痛み・しびれ改善の筋皮神経ストレッチを行なっていきましょう。

神経ストレッチの目的は神経が伸びたピリピリした感覚を感じる事です。
筋肉を伸ばすストレッチみたいに強く伸ばすのはNG。
刺激の強さはMAXが10としたら3程度の弱刺激。
ポジションの途中でも3/10程度の刺激を感じられたらそこでやめましょう。

それでは、前腕外側の感覚に注意しながらポジションを取っていきましょう。

筋皮神経ストレッチのポジション

写真は左右にスライドできます

筋皮神経ストレッチ①

ストレッチする側の親指を握り込む

筋皮神経ストレッチ②

手首を小指側に倒す

筋皮神経ストレッチ③

肘を伸ばしたまま腕を後ろにする

筋皮神経ストレッチ④

肩を下げる

筋皮神経ストレッチ⑤

首を反対側に倒す
筋皮神経ストレッチのポジション完成

筋皮神経ストレッチ⑤の完成ポジションで前腕外側(親指側)にテンションを感じられますか?

テンションを感じられない場合は下記の方法を試して下さい。
・もう一度最初からやり直す
・順番を変えてテンションをかけてみる
・腕の位置・肩の下げ方・首の位置等を微調整

筋皮神経ストレッチは形だけ真似しても効果は期待出来ません。
刺激が入っている(テンションがかかっている)状態を作って下さい。

筋皮神経ストレッチ 刺激を抜く入れる

筋皮神経ストレッチのポジションが完成したら、刺激を抜く入れるを繰り返します。
言い換えると、前腕外側のテンションを緩める入れる。

手首・肘・肩・首を動かす方法を紹介します。
3〜5回繰り返します。
ただし、全部を行わなくても大丈夫です。
効果が出る方法を見つけてその方法を行いましょう。

注意点は、テンションを緩めてから入れる時に形だけにならない様に!
テンションが入っているの確認しながら行いましょう。

写真は左右にスライドできます

筋皮神経ストレッチ

ストレッチポジションからスタート
①親指は握り込む
②手首は小指側に倒す
③腕を後ろに引く
④肩を下げる
⑤首を反対に倒す

筋皮神経ストレッチ 手首

手首を戻す(刺激を抜く)
小指側に倒す((刺激を入れる)

筋皮神経ストレッチ 肘

肘を曲げる(刺激を抜く)
肘を伸ばす(刺激を入れる)

筋皮神経ストレッチ 肩

肩を上げる(刺激を抜く)
肩を下げる(刺激を入れる)

筋皮神経ストレッチ 首

首を戻す(刺激を抜く)
首を倒す(刺激を入れる)

筋皮神経を緩める

前腕外側の痛み・しびれが筋皮神経ストレッチで改善しなければ、反対に緩めてみましょう。

緩めるため、筋皮神経ストレッチと反対のポジションを取っていきます。

写真は左右にスライドできます

筋皮神経を緩める①

親指を立てる
手首を親指側に曲げる

筋皮神経を緩める②

肘を曲げる

筋皮神経を緩める③

腕を肩の高さまで上げる

筋皮神経を緩める④

肩を上げる

筋皮神経を緩める

首を倒す
筋皮神経を緩めるポジション完成
これを2〜3分キープ

筋皮神経ストレッチの目的

前腕外側の痛み・しびれ改善の筋皮神経ストレッチの目的に説明していきます。
この考えを理解して筋皮神経ストレッチを行えば改善効果はさらに高まります。

痛み・しびれ等を含む身体の不調は脳が作るという考え方がベースです。

前腕外側の痛み・しびれは脳が作る

脳の危険解釈

脳には身体の様々な情報が入ってきます。

例えば、このような状態では
・筋皮神経・前腕外側皮神経が圧迫されている
・テニスをし過ぎて肘周りが疲れている
・寝不足で身体がダルイ
神経が正確に働かず不正確な情報が脳に届いてしまいます。

不正確情報を受け取った脳は前腕外側を正確に認識できず不安に感じます。
不安からこれ以上使う危険と判断します。
そこで強制的に休ませる方法を取ります。

その方法が前腕外側に痛み・しびれを出して使いづらくすることです。

筋皮神経ストレッチで正確情報を届ける

正確情報

筋皮神経ストレッチは前腕外側の正確情報を脳に届ける事が目的。
そのため、前腕外側の刺激感覚に注意を向ける事が重要です。

形だけを真似ても、正確に刺激を感じられなければ…。
前腕外側の正確情報を脳に送る事が出来ません。

から正確に動かす指令を運動神経を通して前腕に伝える
前腕外側から筋皮神経(前腕外側皮神経)のストレッチ感を正確に脳に伝える

正確情報のやり取りにより、脳は前腕外側の不安が解消されて痛み・しびれ等の症状を出さなくなります。

この様に、脳に前腕外側の正確情報を伝えることが筋皮神経ストレッチの目的です。

万人に効果的な方法は無い

前腕外側の痛み・しびれに効果的な筋皮神経ストレッチを紹介しました。
しかし、筋皮神経ストレッチで効果が出ない場合もあります。

前腕外側の痛み・しびれは一つの原因だけで起こる訳ではありません。
症状は複数の大小要因が積み重なった結果です。

筋皮神経ストレッチで改善された方は、筋皮神経の要因が大きかったから。
改善されなかった方は、筋皮神経の要因が小さかったから。
他の大きい要因を解消すれば前腕外側の痛み・しびれは改善可能です。

筋皮神経ストレッチで効果が無ければ続ける必要はありません。
他のセルフケアを試して、あなたに合う方法を見つけて下さい。
当院では、合う方法を一緒に探して前腕外側の痛み・しびれを改善していきます。

お悩みの方はお任せ下さい。

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