運動療法で痛み・シビレを脳・神経から改善するコツ

一般的な運動療法では、「筋肉を動かす」事を目的としています。
当院の運動療法は、筋肉を動かした「身体の感覚を感じる」事が目的です。

感覚を感じることで、一般的な運動療法で改善出来なかった症状も改善可能となります。
脳から症状を改善すると書くとオカルト的に思われるかもしれませんが全く違います。

解剖学、神経生理学、運動学、脳科学等の研究から考えられています。
〇〇学と言うと難しく単語ばかりで嫌になりそうな雰囲気がしますよね。
でも、イラストを使いながらわかりやすく説明していきます。

最後まで読んでコツがわかると、今やられている運動療法の効果も上がりますよ。

痛み・シビレ等の不調は脳の危険判断が作る

痛み・シビレ・筋肉の硬さ・身体の歪み等の不調は今の身体を守るために脳が作る防御反応です。

不調が防御反応と言われても納得しにくいと思います。
痛み・シビレがあればその部分を使わないようにします。
筋肉の硬さ・身体の歪みは、今の身体に最適なバランスの姿勢を取るための固定です。

不調が無ければ使い続けてさらに悪化させてしまいます。
悪化しそう危険と感じて出すサイン不調です。

不調は、脳から神経を通じて身体の各部に伝わります。
脳→運動神経 筋肉の不調(硬い・力が入らない)
脳→感覚神経 痛み・シビレ・違和感
脳→自律神経 内臓等の不調

脳は身体からの情報で安全・危険の判断をする

画鋲 刺さる 痛み

脳は身体から上がってくる多数の情報をまとめて安全・危険の判断をします。

上図は、手に画鋲が刺さっています。
手の感覚神経が皮膚を突き破って刺さったと脳に情報を送ります。
この情報から危険判断して痛みを出して抜くように知らせてくれます。

情報は他にも視覚情報等の五感情報、三半規管等のバランス情報、気持ち等の心理情報等などがあります。
総合的に判断した結果、痛みより優先事項があれば痛みを出さないことがあります。

例えば、僕は柔道をやっていました。
試合中に擦りむいた程度の出血は気づかない。
心拍数、緊張等の心理面、アドレナリン等のホルモン情報等が脳に届きます。
その結果、痛みを出すよりも試合に集中させた方が良いと脳が判断したのです。

身体からの情報が不正確でも脳は危険判断を行う

危険判断

痛み・シビレ等の症状は、画鋲等の外部からの刺激は無いのに出ます。
この理由が、神経正確な情報脳に届けていないからなのです。

不正確情報では、は正確な判断は出来ず過剰に不安がり危険判断します
その結果、痛み等の症状を出すのです。

症状改善には、脳に正確情報を届ける必要があります。
正確な情報が届けば脳は過剰な危険判断は行いません。
脳が安全と判断すれば注意サインを出す必要が無くなりますよね。

運動療法でも正確情報脳に届ける事が症状改善に重要です。

安全判断

一般的な運動療法は情報が一方通行

運動療法 一方通行

一般的な運動療法身体を動かすことだけがメイン

意識をするのは、身体(筋肉)を動かすことだけ。
図で言えば、青の下方向だけです。
身体(筋肉)が正確に動いているかの赤の上方向は意識していません。

もちろん、身体の情報は無意識でも神経が脳に届けます。
それで症状改善すれば良いのですが難しい方も多い。

どうせ運動療法を行うならもっと効果的にしたいですよね。
そのコツが赤の上方向の意識です。

脳・神経の刺激を増やす効果的な運動療法

運動療法をより効果的に行うコツは、正確情報脳に届けて安心させる事です。
そのためには正確情報増やす必要があります。

それが、身体の動きイメージ通りに出来ているかを意識する事です。
一般的な運動療法ではこの意識が抜けています。
せっかく運動療法をするなら、身体の感覚神経にも刺激を与えた方が効果的だと思いませんか?

神経意識するだけで刺激が多くなります。
例えば、座っているならお尻のどこに体重がかかっているかを意識してみましょう。

運動療法を効果的にする位置覚

鼻を触る 位置覚

身体には位置覚という感覚があります。
簡単に言えば、目で見なくても自分の姿勢がどうなっているかは分かりますよね。
それは身体の位置覚情報が脳に届いているからです。

例えば、目を閉じて鼻の頭を触ってみましょう。
鼻の頭と手がどこにあるかの位置覚情報が届いているから出来ます。

ただ、本当に鼻の頭を触れていますか?
少しズレていませんか?
ズレがある人は、鼻の頭か手の位置覚情報が不正確なのです。

正確に触れた人は、手をもっと離して速くやってみましょう。
ズレますよね。

運動療法の効果を高めるコツはこの位置覚情報を意識していきます。

不調がある箇所は情報が不正確

不調がある部分は、通常よりも情報が不正確になっています。

例えば、痛み・シビレが強い部分を人に目を閉じて触って離してもらった後に、同じ場所を触ってみましょう。
同じ場所を触ったはずでもズレてしまうことがほとんどです。

その箇所を曲げたり伸ばしたりとポジションが変えて同じように試してみましょう。
ズレる範囲も変わったりします。
この様に身体の感覚はそのポジションによって正確性が変わります。

この様に不正確な情報が脳に届くことで、脳は危険判断をして症状を出すのです。

効果的な運動療法は情報を循環させる

神経学トレーニング 運動療法

一般的な運動療法では脳から筋肉を動かす指令情報が下りるだけの一方通行でした。
運動療法を効果的に行うコツは一方通行ではなく循環させる事です。

脳から筋肉を動かす指令が下りる
→身体の位置を意識して正確な情報が脳に上がる
→脳から修正した動きが筋肉に指令が下りる
→・・・・・

この様に身体から脳に上がる情報を意識するだけで情報の正確性が向上していきます。

運動療法は書道のイメージで行う

書道

運動療法を効果的にするイメージは書道です。
キレイな字を書こうと普段は意識しない、止め、はね等を意識しますよね。
これを意識することでキレイな字になっていきます。

一般的な運動療法は小学生が漢字ノートに書くイメージです。
キレイな字を書くよりも、速く書いて終わらせるみたいな…。
僕だけじゃないですよね。

同じ書くですが、意識して継続していくと全く違う結果になるのは理解出来ますよね。
運動療法でも同じことが言えます。

漢字練習帳

運動療法の効果を上げるために意識すること

運動療法効果的にするコツは正確に動いている事を意識すること!
動き自体は簡単で種類は3つ
・直線
・正円
・8

注意点
痛みが出ない範囲で出来るだけ大きく動かす
・最初はゆっくり意識して動かす
・動かす箇所以外は力を抜く(他の部分は動かない)

効果的な運動療法の実践

今まで長々と書きましたが運動療法を実践してみましょう。

今回は肩の運動療法を紹介します。
症状)肩を上げると痛みが出る
腕を伸ばして行います
①直線運動で痛みが出ないギリギリまで上げる
背筋を伸ばして行う
腕を動かすときに体幹はブレない様に注意

②痛みの出ない範囲でキレイな正円を描く
キレイな円になっているか?
動かしにくいところはないか?
痛みが出るなら少し小さい正円で行う

③痛みが出ない範囲で8を描く
縦の8、横の8を注意して描く

いかがだったですか?
ただ動かすだけなら簡単です。
しかし、意識すると意外と難しいですよね。

効果的な運動療法のまとめ

今回は運動療法を効果的に行うコツをお伝えしました。

ただ、力任せに動かすことが目的ではありません。
まずは、簡単な動きを正確に動かせる様になりましょう。

正確な情報を神経を通じて脳に届けることで、症状は改善していきます。

一般的な運動療法は動かすことが目的。
効果的な運動療法は身体の感覚を正確に感じる目的のために動かす。

今回の内容を意識しながら運動療法を続けて症状改善していって下さい。

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