手のしびれ・痛み（橈骨神経麻痺）改善の神経ストレッチ（橈骨神経・後骨間神経）

手のしびれ・痛みが手の甲側の
・親指
・人差し指
・中指
にあるなら橈骨神経麻痺の可能性があります。

今回は
・手のしびれ・痛み（橈骨神経麻痺）と橈骨神経の関係
・手のしびれ・痛み（橈骨神経麻痺）改善の橈骨神経ストレッチ
についてわかりやすく説明していきます。

手のしびれ・痛みについては下記もお読み下さい
・手のひらのしびれ・痛みの正中神経ストレッチ
・小指・薬指のしびれ痛みの尺骨神経ストレッチ

手のしびれ・痛みは橈骨神経麻痺だけではありません。
手のどの部分にしびれ・痛みがあるかで判断出来ます。
まずは、手のしびれ・痛みがどこに出ているかを確認しましょう。

橈骨神経麻痺は手の甲側の親指・人差し指・中指です。

親指・人差し指・中指でも手のひら側は、正中神経という別の神経です。

小指・薬指にしびれ・痛みがあれば尺骨神経になります。

橈骨神経麻痺は、感覚障害と運動障害の2つの症状があります。

感覚障害では橈骨神経の感覚領域のしびれ・痛み等の感覚異常が出ます。

運動障害では、手首・指が伸びにくくなります。
感覚障害の手のしびれも合わさり、手の細かい作業が難しくなります。
橈骨神経麻痺の運動障害が強くなると、下垂手（ドロップハンド）になります。

下垂手の特徴は
・手首が常に垂れた状態
・指の付け根の関節（MP関節）が伸ばせなくなる

橈骨神経は肘から運動神経と感覚神経の2つに枝分かれします。
運動神経が後骨間神経です。
後骨間神経麻痺は下垂指となります。
下垂指は指だけが垂れた状態。
つまり、手首は起こす事が出来ます。

下垂手と下垂指で橈骨神経の障害部位が推測できます。

橈骨神経は首から出る神経が繋がり腕に向かう腕神経叢の一つです。
役割は手・前腕の動きと感覚を担当します

橈骨神経は上腕部の近くから始まります。
二の腕と言われる上腕三頭筋〜前腕〜指先まで腕の後面を走行します。
上腕骨の橈骨神経が通る部分を、橈骨神経溝と言います。

橈骨神経は、肘で運動の後骨間神経と、感覚の浅橈骨神経に分かれます。

橈骨神経は腕神経叢から指まで伸び、上腕〜前腕〜手まで多くの筋肉を支配しています。
橈骨神経が支配する筋肉の主な役割は腕・手・指を伸ばすことです。

橈骨神経麻痺が重症化すると手や指を伸ばす事が出来ません。
その結果、手首・指ともにダランと垂れた下垂手（ドロップハンド）となります。

橈骨神経が支配する筋肉は下記です。
上腕三頭筋
上腕筋
肘筋
長橈側手根伸筋
短橈側手根伸筋
尺側手根伸筋
腕橈骨筋
総指伸筋
小指伸筋
回外筋

橈骨神経が圧迫を受ける事を絞扼（こうやく）と言います。
橈骨神経麻痺は橈骨神経の絞扼性障害です。
橈骨神経麻痺の原因となる絞扼されやすい場所は2つ。

・橈骨神経溝
上腕骨の真ん中1/3に橈骨神経溝と呼ばれる橈骨神経の通り道があります。
橈骨神経溝は上腕三頭筋で覆われてます。
上腕三頭筋が硬くなる等で橈骨神経溝で絞扼される事もあります。

・回外筋の入り口（フローセのアーケード）
橈骨神経は肘から２つに枝分かれします。
その一つが運動神経の後骨間神経。
後骨間神経は回外筋の下を通りますが、回外筋の入り口は狭りトンネルです。
回外筋の入り口をフローセのアーケードと言い、絞扼が起こりやすい場所です。

橈骨神経麻痺はこの２箇所以外でも絞扼されて起こります。

手のしびれ・痛み改善の橈骨神経ストレッチを紹介します。

一般的なストレッチは筋肉を伸ばす事が目的です。
橈骨神経ストレッチは、神経を伸びた感覚を正しく感じる事が目的です。

運動神経を通じて橈骨神経が正しく伸びるボジションを作る姿勢になる様に筋肉に指令を出します。
橈骨神経が伸びた感覚を感覚神経で正確に感じて脳に情報を届けます。
この循環を繰り返すために、橈骨神経にテンションをかける・抜くを繰り返します。

手の甲・親指側に橈骨神経が伸びたテンションを感じましょう。

橈骨神経ストレッチは、橈骨神経を正しい情報で刺激することで橈骨神経麻痺の手のしびれ・痛みを改善していきいます。

神経ストレッチの詳しい説明は下記をクリックしてお読み下さい。

橈骨神経ストレッチのポジション作りの注意点

・強いテンションをかけない
・MAX10とすると３程度のテンション
・3/10のテンションを感じられたら、最後のポジションまでしなくて良い

橈骨神経にテンションを感じられない場合は下記を調整してみましょう。
・最初からやり直し
・ポジションに持っていく順番を変える
・腕・手・首・肩の位置を微調整してテンションがかかる位置を探す

橈骨神経ストレッチのポジションが完成したら動かしてテンションの抜き差しをしていきます。

３〜５回程度動かします。
緩めて、再度テンションをかけた時に抜けている事があります。
形だけ動かすのではなく、抜く前と同じテンションがあるかを確認しましょう。
テンションが抜けているなら、微調整してテンションがかかるポジションを探しましょう。

橈骨神経ストレッチで手のしびれ・痛み・動きの症状が改善しないなら反対を試してみましょう。

橈骨神経ストレッチでは、橈骨神経を伸ばしましたが、今回は緩めていきます。
緩め方は橈骨神経ストレッチの逆のポジションです。

緩めるポジションで５分ほどキープして橈骨神経を緩めましょう。
途中で手のしびれ・痛み等の症状が強くなれば中止してください。

橈骨神経ストレッチと比較して効果の高い方法を継続していきましょう。

手のしびれ・痛み等の症状のうち橈骨神経の絞扼障害について説明しました。

手は細かい動きが出来るため、手のしびれ・痛み等に関する神経は他にもあります。
今回の橈骨神経ストレッチが効果無ければ、他の神経ストレッチで改善される可能性があります。

一つの方法に固執せず、あなたに合う方法を見つけて手のしびれ・痛み等の症状を改善していきましょう。

当院では、手のしびれ・痛み等の症状について、神経学を応用して改善していきます。
手のしびれ・痛みでお悩みの方はお任せ下さい。