
「ゴルフスイングで腰が回らない」
「捻転が足りず飛距離が伸びない」
そんなお悩みをお持ちのあなたへ。
ゴルフスイングで腰が上手く回らず、捻転が不足して飛距離が伸びないという悩みを抱えるゴルファーが多くいます。
この問題の根本原因は、実は腰そのものではなく、胸椎と股関節の硬さにあることが多いのです。
ゴルフスイングにおける「捻転不足」は、スイングの安定性低下、飛距離の制限につながるだけでなく、長期的には腰痛などの身体的問題を引き起こす可能性もあります。
このような悩みをお持ちの方は、腰だけでなく胸椎と股関節の柔軟性に注目して改善を図ることが効果的かもしれません。
今回は、上記の内容をわかりやすく解説していきます。
ゴルフスイングの捻転不足でお悩みの方は理解すれば、改善のヒントが見つかりますよ。
腰椎が回旋しない解剖学的理由
スイングの捻転不足では腰が回らないと考える方が多いです。
しかし、背骨の腰部分である腰椎は構造上、捻転(ひねる動き)が非常に苦手。
主な原因は腰椎の「椎間関節の形状」です。
「腰は回っても腰椎はぼぼ捻転しない」。
ここを図を使って説明していきます。
ゴルフスイングと椎間関節の関係

ゴルフスイングと腰椎椎間関節の構造的制限

ゴルフスイングで十分な回転を得るのが難しい理由の一つは、腰椎の椎間関節の特殊な構造にあります。
腰椎の椎間関節は、関節面がほぼ垂直に近い角度になっています。
また、下関節突起と上関節突起がはまり込む構造です。
腰椎の椎間関節の構造的特徴により、ゴルフスイング中に腰部で大きな回旋動作を行おうとすると、上下の関節突起同士が物理的にぶつかってしまいます。
つまり、腰椎の椎間関節自体が回旋動作を制限するブロックとなっているのです。
腰椎の回旋可動域は驚くほど狭い
- 腰椎は5個
- 全体の回旋可動域は5〜15度
- 最大15度で、多くの人はここまで回旋しない
つまり、ゴルフスイングの捻転不足の悩みに腰椎はあまり関係が無いのです。
ゴルフスイングと胸椎の回旋能力

ゴルフスイングで大きなパワーと安定性を生み出すカギとなるのが、胸椎の優れた回旋機能です。
胸椎は背骨の中でも特にゴルフスイングに必要な回旋動作に適した構造をしています。
その秘密も椎間関節の「関節面の角度」にあります。
胸椎の椎間関節は、腰椎とは対照的に斜めに傾いた関節面を持っています。
この角度が決定的に重要です。
スイング中の回旋動作で上下の椎骨がぶつからず、スムーズな回転が可能になっています。
ゴルフスイングに活かせる胸椎の利点は:
- 1つの胸椎だけでも腰椎よりも大きな回旋角度を持つ
- 腰椎が5個なのに対し、胸椎は12個と数が多い
- 全体で約30〜40度の回旋可能
腰椎の5〜15度と比較すると胸椎の回旋が圧倒的に大きいのがわかりますよね。
理想的なゴルフスイングでは、この胸椎の回旋能力を最大限に活用することで、腰椎への負担を軽減しながら大きなショルダーターンを生み出せます。
多くのプロゴルファーがバックスイングで見せる印象的な上体の回転は、まさにこの胸椎の回旋機能を効果的に使っているからなのです。
ゴルフスイングと股関節の重要性
股関節もゴルフスイングで重要な役割を果たしています。
股関節は下半身と上半身(体幹)をつなぐ要です。
股関節の解剖学的な構造と、体幹を回旋動作に股関節がどう関わるのかわかりやすく説明していきます。
ゴルフスイングと股関節の構造的特徴

ゴルフスイングの回転動作を支える股関節は、骨盤の側面にある受け皿状のくぼみ(寛骨臼)に大腿骨の丸い骨頭がはまり込む構造をしています。
この構造がゴルフスイングの力強さと柔軟性を生み出す鍵となります。
- 丸い骨頭から「球関節(きゅうかんせつ)」と呼ばれ、肩関節と並んで体内に2つしかない
- 全身の中でも最大級に可動域の広い関節であり、ゴルフスイングの多方向の動きを可能にする
- 受け皿の寛骨臼から「臼関節(きゅうかんせつ)」とも呼ばれる(餅つきの臼のような形状から)
股関節の球関節構造は、ゴルフスイング中に必要な複雑な動きを可能にします。
バックスイングでの内旋、ダウンスイングでの外旋、そして体重移動に伴う様々な角度での荷重を実現します。
しかし、臼の中で球が転がるような構造は、骨だけでは十分な安定性を保てません。
そのため、股関節は多くの筋肉(特に体幹の筋肉や大腿部の筋肉)、靭帯、関節唇などで骨頭を包み込んで安定性を保っています。
股関節と体幹の回旋メカニズム
体幹を回旋する時、股関節は骨盤と一緒に回旋方向に動きます。
例えば、足を地面につけたまま体を右方向にひねると:
- 右股関節では骨盤に対して大腿骨が相対的に内に回す(内旋)
- 左股関節では骨盤に対して大腿骨が相対的に外に回す(外旋)
これは、文章で読んでもイメージしづらいですが、実際にやってみると理解しやすいです。
股関節の内外旋の可動域は:
- 内旋は約40度
- 外旋は約45度
これも腰椎の5〜15度とは比較にならないほど大きな可動域です。
このように、腰を回す時は左右の股関節がそれぞれ内旋・外旋され、骨盤と上半身の回転を支えているのです。
ゴルフスイングにおける胸椎・股関節の回旋不足が腰痛を引き起こすメカニズム

ゴルフスイング時の胸椎・股関節の回旋不足が腰痛を引き起こすケースが多く見られます。
- 胸椎と股関節の可動域が狭くなる
- ゴルフスイング中に腰椎が過剰に回る必要が出てくる
- 繰り返しのスイングで腰椎やその周囲の組織に小さなストレスが蓄積
- ゴルフ後の腰痛の原因となる
これまで説明したように、ゴルフスイングの回旋動作のほとんどは本来、胸椎と股関節が担うべきものです。
しかし胸椎と股関節の可動域が狭いゴルファーでも、スイングするためには体を回旋させる必要があります。
そこで構造的に回旋に不向きな腰椎が代償的に過剰に動くようになります。
その結果、ラウンドを重ねるごとに腰椎やその周囲の組織に小さなストレスが蓄積していきます。
これがゴルフスイングにおける胸椎・股関節の回旋不足が原因の腰痛です。
このタイプの腰痛の場合、腰そのものを施術するよりも、胸椎や股関節の可動性を改善する施術やトレーニングが効果的です。
このように、ゴルファーに多い腰痛の原因は、腰以外の部位にあることが多いのです。
ゴルフスイングの捻転不足を改善するための効率的アプローチ

ゴルフスイングにおける捻転不足の原因を理解することが、解決への第一歩です。
腰椎自体は構造上ひねれないため、理想的なゴルフスイングの回旋動作は主に胸椎と股関節の動きによって実現されています。
スイングで腰が回らない、捻転が足りないからといって、わずか5〜15度の狭い可動域しかない腰椎をターゲットにするのは効率が悪い。
このような捻転不足の改善には、以下の広い可動域を持つ部位をターゲットにするのが効率的です。
- 約30〜40度の回旋可動域がある胸椎
- 内旋40度・外旋45度前後の広い可動域を持つ股関節
スイングの捻転不足に悩む時、胸椎・股関節は関係ないと考えていたかもしれません。
しかし、ここまで読まれた方は胸椎と股関節の重要性は理解されましたよね。
胸椎・股関節が安定し適切に動くことでスイングの回転が円滑になり、飛距離アップだけでなく腰痛の予防にもつながります。
プロゴルファーのような大きなショルダーターンと安定したスイングを実現するには、腰ではなく胸椎と股関節の可動性改善に焦点を当てることが重要です
ゴルフスイングの捻転不足に悩むゴルファーへ
捻転不足に悩んでいるゴルファーの方は、腰だけでなく胸椎と股関節の動きにも注目してみましょう。
今回は動きの大きい胸椎・股関節で説明しましたが、ここだけがスイングの捻転不足の原因ではありません。
様々な要因が積み重なってスイングの回転制限となります。
スイングの捻転不足だからといって腰だけのアプローチは非効率です。
身体全体のつながりを考えたアプローチが必要です。
当院では、このような考えから全身を評価した上でのトレーニングと施術を行っています。
また、体の動きは脳・神経系のコントロールによるものという考えから、他院とは違うアプローチでゴルフスイングの捻転不足を改善していきます。
スイングの捻転不足でお悩みのゴルファーはお任せください。
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