ボディマッピングと脳の予測

脳内の身体のイメージ図 (ボディマップ)があるという話をしました。
ボディマップとボディマッピングの詳細は「脳内の身体の地図 (ボディマップ)と整体(ボディマッピング)の関係」
をご覧下さい。

今回は、ボディマップと痛み等の症状の関係を説明していきます。

痛み等の症状脳の危険予測により起こります。
身体を動かそうと考えた時、身体を動かすよりも先に脳内でボディマップを動かしています。
ボディマップを先に動かして実際に動かした時に身体に起こる反応の予測を立てます。

不正確なボディマップだと不正確な予測しか立てられません。
予測が不正確だと脳は危険と判断して身体を守る反応を出します。
身体を守る反応が痛み等の症状です。

と書いても難しいので、わかりやすく説明していきます。

身体を守る事が脳の最優先事項

「脳の一番の役目は身体を守ること」です。
そして将来のことは考えていません。
現時点での身体を守る反応を出します。

脳が身体を守るために出す反応は下記です。

・痛み、シビレ
・身体の歪み
・可動域減少
・うつ感情

全て脳が身体を守るために出している反応です。
いやいや、逆の悪くしている反応でこれらの症状を改善するために整体院に通ってる!

という声が聞こえてきそうです。

症状は強制的に休養させる為のサイン

痛み等の症状は身体を休ませるための脳からの注意喚起の声。

症状が軽い時は、優しく休むように注意。
症状が強い時は、怒鳴って休むように注意。

症状の強弱は、脳の注意の声の大小です。

各症状がなぜ、身体を休ませることになるのかを説明していきます。

痛み、シビレ

ある動作で痛み、シビレが出るなら、その動作はしなくなります。
また常に痛み、シビレがあるなら安静にますよね。

痛み、シビレは身体を守るための反応と言われても、納得しやすい症状だと思います。

身体の歪み

身体に悪い部分があれば、そこに負担をかけない様にします。
例えば、お腹が痛いと自然に背中を丸めた姿勢になります。
お腹の痛みが軽減する姿勢になるように脳が指令を出しています。

脳は現在の痛みから逃れるためなら、悪い姿勢も選択していきます。
この姿勢が続いて身体が歪んできます。

これが将来は考えず現時点での身体を守る反応です。

可動域減少

例えば、腕が肩の高さまでしか上がらない等です。

可動域制限は、安全な範囲でしか動かさない様に筋肉等を硬くして制限をかけている状態です。
制限を超えて動かすとさらに悪化する危険性があるという脳が判断です。

可動域制限があるおかげで、安全な範囲で動かせます。
可動域を超えて動かすと痛みが出るのは、安全な範囲を超えているとの脳からのサインです。

うつ感情

うつ感情とは、やる気が無くなる等です。

例えば、キツイ仕事を頑張っているとうつ症状が出たりします。
身体を動かすのも嫌になり起きれなくなったりで仕事に行けなくなります。

強制的にキツイ仕事から遠ざけて守ってくれていますよね。

脳の予測

身体を動かす指令は脳から筋肉に伝わります。
指令が筋肉に伝わって動く前に、脳内で身体を動かしたらどうなるかを予測を立てています。

梅干しを想像すると口の中に唾液が出てきます。
脳内で梅干しを食べた予測が身体の反応として現れた例です。

この様に、実際の行動前でも脳は身体に予測反応を出します

脳の予測と危険回避スピード

脳の予測の利点とはなんでしょうか?
歩くを例に説明していきます。

脚が動き始めるコンマ何秒前に、脳内で脚を動かす
という反応が起こっています。

脳内では歩いている時、どんな風に筋肉が動くのか?
足が地面に触ったときにどんな感覚になるのか?
これらを先にシュミレーションしているのです。

脳内で予測をする利点は危険回避のスピード。

歩いてる時につまずくことはありますよね。
つまずいた瞬間に予測と違う体勢になったので、すぐに脚を出して転倒回避。

この様に、脳内の予測から外れると無意識に行動を変化させて危険回避を行います。

脳の予測精度と経験値

脳は予測と実際の動きに違い出た時に、行動を変化させて身体を守ります。
同じ様に、「予測が不正確・予測が困難」な場合も身体を守る反応を出します。

僕はたまに山を走ったりもします。
山の下りは滑る事が怖くてスピードが出せません。
怖さの正体は脳がスピードを出させない様に制限をかけている状態です。
制限する理由は「予測が不正確・予測が困難」な状況で身体を守るため。
脳は「予測が不正確・予測が困難」状況では、制限をかけるために様々な症状を身体に起こします。

一般道や山道を上る速さは同じ程度でも、下りが速い友人がいます。
友人は山道を走るトレイルランニングの色々な大会にも出ています。
友人の違いは山道を下る経験の差です。

経験を積めば予測精度は高まり不安は無くなります。
「予測が不正確・予測が困難」とは経験不足とも言い換えられます。

脳の予測精度とボディマッピング

脳の予測は脳内のボディマップを基に起こります。
脳内のボディマップは過去に経験した情報の記憶により作られます。

ボディマップの精度を正確にすることで、パフォーマンスアップや症状改善に繋がります。
ボディマップの精度を正確にする事がボディマッピング
ボディマッピングで「身体の動き・感覚を脳が正確に認識出来る」様に刺激を入れていきましょう。

感覚のボディマッピングは難しいので、最初は動きのボディマッピングがおすすめ。
様々な動きの感覚を脳に経験させる事で、脳は正確に予測出来る様になります。
脳の予測が正確になる事で不安が無くなり症状も改善していきます。

感覚のボディマッピング

動きのボディマッピングをしても症状改善が無ければ感覚のボディマッピングも必要です。
感覚のボディマッピングとは「視覚」「前庭感覚(バランス感覚)」等です。

「前庭感覚(バランス感覚)」に含まれるのが三半規管。

「視覚」「前庭感覚(バランス感覚)」等まで考えている整体院はほとんどありません。
一般的な整体でなかなか改善されない方は、感覚のボディマッピングが必要なのかもしれません。

ボディマッピングを含めた脳・神経学トレーニングに興味のある方はご相談下さい。

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