椎間板ヘルニアの原因はなんですか?
とよく質問されるので、今回はこの質問に答えていきます。
この椎間板ヘルニアの原因ですが、2つに分かれます。
①椎間板ヘルニアになる原因
②椎間板ヘルニアで痛み・しびれが出る原因
知って欲しいのは、②椎間板ヘルニアで痛み・しびれが出る原因です。
一般的には、椎間板ヘルニアが神経に当たっているからと言われています。
これが間違っている事を詳しく説明していきます。
椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアの原因の前に知って欲しいのが「ヘルニア」の意味です。
ヘルニアとは体内の臓器等が本来あるべき場所から「飛び出した」状態を言います。
椎間板の成分は約75%が水分で弾力性があるゼリー状になっています
硬い背骨(椎骨)同士が直接ぶつかって傷つかないため間に挟まれてクッション材の役割があります。
椎間板は外側の線維輪と中身の髄核の2つで出来ています。
髄核は上からの圧力を逃す役割があります。
髄核が外に飛び出さないように線維輪が囲っています。
ヘルニアとは体内の臓器等が本来あるべき場所から「飛び出した」状態と書きました。
椎間板ヘルニアとは、髄核が本来あるべき線維輪から飛び出した状態です。
首の椎間板から髄核が飛び出したのが頚椎椎間板ヘルニア。
腰の椎間板から髄核が飛び出したのが腰椎椎間板ヘルニア。
髄核の飛び出した状態により椎間板の種類も分かれています。
椎間板の種類を知りたい方は下記からお読み下さい。
椎間板ヘルニアになる原因
いよいよ椎間板ヘルニアになった原因の説明です。
言い換えれば、線維輪から髄核が飛び出した原因の説明です。
考えられるのは
①椎間板にかかる力が強い
②加齢により椎間板の水分量低下
③①+②
それぞれ説明していきます
①椎間板にかかる力が強い
椎間板は椎骨のクッション材の役割があるため常に圧力がかかっています。
この内圧が強くなると中の髄核が飛び出します。
スポーツをしている人に椎間板ヘルニアが多い理由がこれになります。
走る、ジャンプ、ねじる、ぶつかる等が繰り返し行われる事で、椎間板には強い衝撃が加わります。
同じ理由で肥満や重労働が原因で椎間板ヘルニアになるリスクが高まります。
椎間板にかかる内圧は姿勢によって変化します。
スポーツをしていなくても椎間板になる原因は姿勢にある可能性が高いです。
直立姿勢で腰椎にかかる内圧を100%ととして各姿勢による内圧の変化を低い順に書いてみます。
①仰向けで寝る 25%
②横向きに寝る 75%
③直立姿勢 100%
④椅子に座る 140%
⑤軽い会釈 150%
⑥座位で会釈 185%
⑦腰を曲げて荷物持つ 220%
⑧座位で腰を曲げて荷物を持つ 275%
腰を曲げて荷物を持つ 220%
意外なのは直立姿勢よりも椅子に座った方が椎間板の内圧が高くなる事ではないでしょうか。
常に椎間板には内圧がかかっています。
運送業の方に椎間板ヘルニアが多い原因がこれでわかりますよね。
軽い荷物を持つだけでも直立姿勢の2倍以上がかかります。
重い荷物も持たれるのでもっと内圧は高くなります。
②加齢による椎間板の水分量低下
若い時は肌の水分量も多かったのに、だんだんと顔の「ハリ」が無くなり「シワ」が増えてきます。
加齢による正常な変化ですよね。
椎間盤全体は約75%が水分です。
そして中身の髄核はほぼ水分。
加齢で肌の水分量が減少しているので、椎間板の水分量も同じ様に減っています。
肌は若い時と比べると弾力がなくなりカサカサになります。
椎間板も同じで弾力が減少して小さくなってしまいます。
背が少し縮んだりするのは、この椎間板が潰れて小さくなった影響もあります。
椎間板の弾力性低下は、椎間板ヘルニアの原因に直結するのはイメージできますね。
③1+2
高齢者で椎間板ヘルニアになる方は
①腰が曲がり椎間板の内圧が高い
②椎間板の水分量減少
と2つの原因が重なっています。
ただし、椎間板ヘルニアは痛み等の症状が出る前からなっていることも多いです。
高齢者の方は若い時に椎間板ヘルニアなっている可能性も多いにあります。
MRI検査等は現在の状態がわかるだけです。
いつ椎間板ヘルニアになったかまではわかりません。
椎間板ヘルニアで痛み・しびれが出る原因
椎間板ヘルニアで痛み・しびれ等の症状が出る原因は一般的に言われている原因と本当の原因が異なります。
そのため、最初に一般的に言われている原因から説明して、次に本当の原因を説明していきます。
一般的には髄核が神経に当たる
一般的な椎間板ヘルニアで症状が出る原因は髄核が神経に当たっているから。
上図の黄色が神経です。
髄核が線維輪から飛び出して神経に当たっていますね。
この神経が当たっているのが椎間板ヘルニアの原因と言われます。
病院での手術は、神経に当たっている飛び出した髄核を切り取る等して取り除きます。
これが椎間板ヘルニアの唯一の原因と言われます。
本当の椎間板ヘルニアの症状の原因
一般的には、椎間板ヘルニアは髄核が神経に当たっている事だけが原因と説明されます。
しかし、病院の手術で飛び出した髄核を取り除いても痛み・しびれが残る場合もあります。
もちろん、手術で症状が無くなる方も多いです。
また、痛み等の症状が無い人を検査したら8割弱に椎間板ヘルニアが見つかったという研究報告もあります。
このように、椎間板ヘルニアの痛み・しびれ等の症状の原因が髄核が神経に当たっているからでは説明出来ない事が多くあります。
髄核が神経に当たっているのは椎間板ヘルニアの唯一の原因ではなく、複数ある要因の一つに過ぎません。
各要因の大きさは一定ではなく大小の差があります。
手術で改善しない人は、髄核の要因は小さく他の要因が大きかったのです。
椎間板ヘルニアでも症状が無い人は他の要因が小さい、又は積み重なっていないのです。
椎間板ヘルニアの症状は脳の不安が作る
椎間板ヘルニアの痛み・しびれ等の症状が身体を守るために脳が作る。
と言われても、痛み等は身体に負担をかけているので納得出来ませんよね。
しかし、身体を強制的に休ませるためと言われるとどうでしょう?
痛み・しびれがキツイと休んでおこうとなりますよね。
動きが悪くなるのも、安全範囲内で動かすように制限をかけています
身体のゆがみは、今の状態で痛みを回避する様に最適なポジションを作っています。
この様に、症状は身体を強制的に休ませて回復させるために脳が作っているのです。
脳に送られる神経情報
椎間板ヘルニアは一つの原因だけで症状は出ません。
身体の多くの情報が神経を通じて脳に送られます。
・髄核が神経に当たっている
・筋肉の情報
・バランス感覚
・視覚…
などです。
これらの神経情報が脳が受け取り、安全か危険かを判断します。
椎間板ヘルニアで症状が起こる原因は、脳に届く神経情報に不正確・悪い情報がが含まれているから。
不正確情報:筋肉・バランス・視覚等
悪い情報:髄核が飛び出して神経に当たっている
これらの情報をまとめては脳は安全か危険かの判断をします。
危険と判断したら症状を出して身体を守ります。
この不正確・悪い情報が椎間板ヘルニアの症状を出す原因です。
椎間板ヘルニアの原因まとめ
最後に椎間板ヘルニアの原因をまとめていきます。
①椎間板ヘルニアになる原因
姿勢やスポーツ等で椎間板内圧が高くなり髄核が飛び出す
②椎間板ヘルニアで痛み・しびれが出る原因
髄核の飛び出しを含む神経情報が不正確・悪い情報だから
椎間板の痛みしびれが出る原因が髄核の飛び出しだけでは無い。
他の要因の神経情報を正確にすることで痛み・しびれは改善可能です。
当院では、椎間板ヘルニアの根本原因である神経情報から改善していきます。
椎間板ヘルニアでお悩みの方はお任せください。
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