オスグッド病で来院した子供に多く聞かれる質問に、「オスグッド病が改善しても身長が伸びる?」
があります。
結論から言うとオスグッド病が改善しても身長は伸びるので安心して下さい。
子供にとっては、どれだけ身長が伸びるのか気になりますよね。
この様な間違った都市伝説?が広まった理由も考えてみました。
①身長が伸びるのに重要な「成長軟骨」とオスグッド病の関係
②オスグッド病=成長痛という間違った認識
③骨の成長スピードと筋肉の成長スピードの違い
④身長が急激に伸びた時期にオスグッド病になった
⑤病院や整骨院で身長が伸びるまで我慢と言われた
1つずつ説明していきます。
オスグッド病はオーバーユース
その前に前提として、オスグッド病は運動の結果、起こるオーバーユース(使い過ぎ)によるスポーツ障害です。
オーバユースは特定部分に継続的なストレスがかかり続けて炎症等が生じます。
オスグッドは膝下部分に継続的なストレスがかかり続けて炎症が起こり痛みが出ます。
オスグッド病以外の例として、野球肩、野球肘、ジャンパー膝、疲労骨折等があります。
オスグッド病の詳細な説明は、①~⑤でしていきます。
①身長が伸びる仕組みと「成長軟骨」とオスグッド病の関係
骨の長さは全体が均等に伸びるのではなく、端の一部分が伸びていきます。
伸びる部分は、硬い骨では無く軟らかい軟骨です。
成長する部分の軟骨なので、「成長軟骨」と呼びます。
レントゲンを撮ると、骨は白く写ります
成長軟骨は白く写らないため成長軟骨部分は黒い線状に見えます。
骨の端に黒い線がある様に見えるため「骨端線」とも呼ばれます。
厳密に言うと、成長軟骨と骨端線は違いますが、ほぼ同じと考えて下さい。
下記レントゲンは大人のため、骨端線は無しです。
身長がまだ伸びるかはレントゲンでも判断可能です。
判断基準は、この骨端線です。
子供の骨は成長軟骨の黒い部分が太く写り、白い骨との間が開いた様に見えるため骨端線が開いていると言います。
この時は、成長軟骨がどんどん伸びている状態なので、身長が伸びる時期です。
成長期が終わると成長軟骨は硬く頑丈な完全な骨に変わります。
これはレントゲンでも確認出来ます。
黒く写っていた成長軟骨(骨端線)が白い完全な骨として写るようになります。
黒い骨端線が徐々に細くなって閉じた様に見えるため、この状態を骨端線が閉じたと言います。
骨端線が閉じた状態は、子供の骨が完全に大人の骨に変わった証拠。
つまり、身長はこれ以上伸びないという事です。
成長軟骨と膝下の出っ張り
オスグッドの特徴は膝下の出っ張りですよね。
一般的な説明では、太ももの前側の筋肉の大腿四頭筋が運動のし過ぎで硬くなって縮んでしまう。
そのため、筋肉の付け根部分の膝下の骨が上に引っ張られ続けて剥がれる。
と言う説明だけで終わっています。
これだけでは説明不足。
なぜなら、大人も運動し過ぎると同じように引っ張られ続けているのに、出っ張る事は無いからです。
なぜ、子供だけが出っ張ってしまうのか?
答えは、成長軟骨の存在です。
成長「軟骨」と言うだけに、軟らかくてモロイ。
引っ張られ続けると、モロイから剥がれてしまう。
大人の骨は硬い骨に変わっているので、引っ張られる程度では剥がれません。
ただ膝周辺が痛いだけです。
オスグッドの特徴である膝下の出っ張りは、身長が伸びる基の成長軟骨がある子供だけに起こります。
オスグッドにならない大人は身長が伸びる基の成長軟骨が無く硬い骨だから膝下は引っ張られても出っ張らない。
ここから伝言ゲームみたいに
オスグッドは身長が伸びない大人はならない。
→オスグッドは身長が伸びる間は改善しない。
と広がっていったのでしょう。
②オスグッド=成長痛という間違った認識
オスグッドは成長痛という間違った認識が広がっています。
当HPでも「膝の成長痛」と検索される方が多いため、その様な表現もしていますが…。
上記の表の様にオスグッドと成長痛は全く違います。
一番の違いは、オスグッドは運動による膝の酷使のため、運動時等に痛みがキツくなります。
成長痛は、原因不明で運動もしていない夜に痛みが出ます。
オスグッドと成長痛の違いの詳細はこちらをクリック。
③骨と筋肉の成長スピードの違い
オスグッドは、骨の長さが一気に伸びたせいで、筋肉の長さ骨の長さに追いついていない。
確かに、これも要因の1つとしてあると思います。
ただ、大きな要因では無いと考えています。
一番の要因は運動のし過ぎによる膝のオーバーユース(使い過ぎ)です。
その理由は、施術で痛みは改善するからです。
施術したところで、筋肉の長さ自体が伸びるわけではありません。
縮んでいた筋肉を施術で緩めて正常の長さに戻すだけです。
縮んでいたから、伸びたとも表現出来なくは無いですけど。
骨の成長スピードに筋肉の長さが追いついていない。
と言うには、正常の長さに戻したところで、筋肉の長さは足りないはずですよね。
それなら、施術をしても痛みの改善は無理なはずです。
施術でオスグッドの痛みが改善してるという事実から、骨の長さが…という理由は小さいと思っています。
④身長が急激に伸びた時期にオスグッドになった
身長が急激に伸びた時期にオスグッドになったから、オスグッドが改善するのは反対の身長が止まった時。
という考えになるのもわかります。
成長軟骨との関係でも説明した様に、膝下の出っ張りは成長軟骨がある成長期にしか起きません。
この様に身長が伸びた時期にオスグッドになりやすいのも事実です。
ただ、急激に伸びた時期でも無いのに、オスグッドになった子供も多数来院しています。
身長が急激に伸びる時期と一致しやすいだけです。
それと、身長が止まらないと改善しないは別の話なので安心して下さい。
⑤病院で成長が止まるまで我慢と言われた
これが一番大きな理由かなと思います。
病院の先生に言われたら信用してしまいますよね。
実際に、インターネット上でも病院の先生がその様に解説しているものもあります。
ただし、これは改善出来ないための言い訳だと思っています。
オスグッド病を改善出来るところが少ないのが現実です。
しっかり改善できるところは、この様な事は言いません。
施術すれば成長が止まるまでにオスグッド病が改善するからです。
もし、この様な事を言われたら、違うところを探すようにして下さいね。
身長は伸びるから安心して改善へ
ここまで読んでいただいたら、身長が伸びると安心出来ましたよね。
オスグッド病を改善出来るところは、残念ながら少ないのが現実です。
そのため、成長期だから仕方無いと言い訳をしています。
でも、しっかり改善出来るところはあります。
オスグッド病はしっかり施術すれば改善するので諦めないで下さい。
効果的なオスグッド病の施術法
一般的なオスグッド病の施術は、太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)をマッサージ・ストレッチで緩めることがメイン。
図の様に、大腿四頭筋が引っ張りオスグッド病になるので緩めることは必要です。
では、なぜ大腿四頭筋が引っ張っているのか?
ここまで考えを広げていかなければいけません。
例えば、股関節の動きが悪いから大腿四頭筋を硬くなっているとします。
その時は、股関節を調整することが重要です。
でも、股関節の動きを悪くしているのは?
と、考えは広がっていきます。
この様に考えていくと太もも周りだけでは足りないのが理解できますよね。
痛いところだけや、単純につながっている箇所だけの施術ではオスグッドは改善しません。
全身の繋がりを考えると、全身調整する必要があります。
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