オスグッド病と他のスポーツ障害との見分け方

オスグッド病の見分け方2分類

オスグッド・シュラッター病(以下、オスグッド病)は、スポーツをしている小中高生に多く見られる膝のスポーツ障害です。

しかし、子供の膝の痛みはオスグッド病だけではありません。

今回は、他の他のスポーツ障害等とオスグッド病の見分け方を解説していきます。

見分け方として

1.成長痛とオスグッド病の違い(痛い時間等)

2.他の膝の痛みとオスグッド病の違い(痛い場所)
シンディング・ラーセン・ヨハンソン病・ジャンパー膝・鵞足炎・ランナー膝

に分けて説明していきます

オスグッド病とは

オスグッド病

他の膝の痛みとの見分け方を説明するためには、オスグッド病をしっかり理解しましょう。

オスグッド病は、練習をし過ぎて膝に負担がかかり過ぎで起こります。

痛い箇所は、膝のお皿よりも下のスネの脛骨粗面(図では膝蓋粗面)と呼ばれる部分です。

ここは、太ももの筋肉がくっ付いている部分です。

筋肉は使い過ぎると、硬く縮まってしまいます。

太ももの筋肉が硬く縮まると、骨を上に引っ張ります。

くっ付いている部分が引っ張られ過ぎて炎症を起こし痛みが発生します。

ひどくなると炎症だけではなく、骨が剥がれてしまいます。

これが膝下が出っ張る理由です。

成長痛とオスグッド病の見分け方

一般的には、オスグッド病は膝の成長痛と言われます。

しかし、オスグッド病と成長痛は全く違います。

成長痛は痛みをハッキリ言語化出来ない幼児期に多い症状です。

そのため、下記に書いてある1つでなく複数が当てはまるかを確認してみましょう。

違いはこの表になります。

痛い場所による見分け方

オスグッドでは膝のお皿の少し下部分が痛くなります。

スネの骨にある脛骨粗面と言われるところ。

ここが痛くなるのが、オスグッド病の特徴です。

成長痛は下半身のあらゆる場所が痛くなる可能性があります。

膝のお皿や、膝周辺など痛む範囲がハッキリしない事も多いです。

年齢による見分け方

オスグッド病の多発年齢は小学校中学年~中学生です。

これに対して成長痛は幼児期に多くなります。

年齢でもある程度の判別が付きます。

ただし、10才前後はオスグッド病も成長痛もどちらも当てはまる年齢です。

単純な年齢だけで判断するのは避けましょう。

痛い時間による見分け方

オスグッド病は膝の使い過ぎによる膝スポーツ障害です。

そのため運動時や運動後の膝への負担が増加した時に痛みを感じます。

成長痛は、運動をしていなくても夕方~夜にかけて痛みが出ます。

泣くほど痛いのに、朝には痛みはスッキリ無くなっている事がほとんど。

また、病院に連れて行ってもその時は全く痛みが無いなどもよくある話です。

骨の異常による見分け方

オスグッドは進行すると膝下がボコっと突出してきます。

最初は触ってわかる程度だったのが、見ただけでわかるほどに出てきます。

これは、脛骨粗面部が筋肉に引っ張られて、骨が剥がれた状態です。

成長痛では見た目の異常はありません。

ただ、痛みがあるだけです。

シンディング・ラーセン・ヨハンソン病との見分け方

痛みが出る部分は膝のお皿の下部分です。

専門的な言い方をすると、膝蓋骨下端部です。

痛い場所が、スネの骨ではなく、膝のお皿の下部分に変わっただけ。

痛い理由はオスグッド病と似たものになります。

シンディング・ラーセン・ヨハンソン病は、膝のお皿の下端部が炎症や部分的に剥がれる事もあります。

好発時期は小学校高学年から中学生にかけて。

この時期は、オスグッドのスネの骨と同様に膝のお皿も成長過程で強度が弱い状態です。

そのため、運動により引っ張られ過ぎるとお皿に炎症が起きるのです。

ジャンパー膝との見分け方

膝蓋靱帯炎 ジャンパー膝

オスグッドと最も間違いやすいのが、ジャンパー膝です

痛みが出る部分は、シンディンング・ラーセン・ヨハンソン病とオスグッド病の間です。

ジャンパー膝の正式名称は「膝蓋腱炎」と言います。

オスグッド病は脛骨粗面という骨の炎症です。

ジャンパー膝は膝蓋腱炎の名前の通り、腱の炎症です。

腱とは、筋肉の最終部分で骨にくっ付く部分の名前です。

腱で有名なのはアキレス腱ですね。

アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉が踵の骨にくっ付く部分の名前です。

鵞足炎との見分け方

鵞足炎 薄筋 縫工筋 半腱様筋

難しいですが読めましたか?

「ガソクエン」

と言い、膝の内側が痛くなるスポーツ障害です。

鵞足部分に起こる炎症という意味です。

ちなにみ鵞鳥(ガチョウ)の字です。

「縫工筋(ほうこうきん)」「薄筋(はっきん)」「半腱様筋(はんけんようきん)」

とこれまた難しい3つ筋肉のが骨にくっ付いている部分を鵞足と呼びます。

3つ集まった部分が「ガチョウの足」に見えるらしいです。

僕には全く見えませんでしたけど…。

3つの筋肉の腱が屈伸動作の繰り返しで摩擦を起こして慢性的な炎症により痛みが出ます。

ランナー膝との見分け方

ランナーズニーとも言われ正式名称は「腸脛靱帯炎」

また難しい漢字が出てきましたが、「ちょうけいじんたいえん」と読みます。

鵞足炎とは反対の膝の外側に痛みが出るスポーツ障害です。

もう予想がつくと思いますが、膝の外側にある腸脛靱帯が繰り返し擦れる事で炎症が起こり痛みが出ます。

特に長距離ランナーに多い事から、ランナー膝と呼ばれています。

まとめ

今回はオスグッド病の見分け方として、成長期に起こりやすい代表的な膝のスポーツ障害を説明しました。

これで、見分けがつきやすくなったと思います。

転倒、ぶつける、ぐねる等の直接的な衝撃を受けた後から痛みが続いている場合は、骨折、肉離れ、靱帯損傷、半月板損傷等の可能性があります。

その場合は、整形外科等で診察を受けましょう。

他にもここに書いてある事と似ているけど少し違うという事もあります。

最終的には、整形外科でレントゲン等の診察を受けて下さいね。

オスグッド病(成長痛)について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

大阪・高槻スポーツ整体 ぎの整体院